中国墓石加工業界事情

近年ではお墓に使う石材も他の業界同様輸入材が主流となっています。
初めは韓国からの輸入が多かったのですがここ15年ほどは中国製品が圧倒的に多くなっています。
現在では原材料や半製品としてではなく墓石が完成品の形で、輸入されています。
更に一部では文字彫刻も中国で行っている例もあるようです。
製品単価は数年前に底値となりましたが現在は上昇傾向にあるようです。
これは中国国内の人件費の高騰が原因のようです。
特に墓石加工業界は所謂3K職場であるとして敬遠される雰囲気があり、更に人件費が上がる傾向があるようです。
中国では2月の旧正月を祝います。
これは全国民的な長期休暇で、3週間~1ヶ月中国の工場は完全ストップしてしまい、製品が入ってきません。
墓石工場は福建省の沿岸地域に集中しており、そこに内陸地帯から多数の労働者が働きに来ています。
彼等は年に一度のこの休みに一斉に帰省するのです。
日本では丁度春のお彼岸需要の工事時期に重なり、各社原材料確保に工夫をしているようです。
中国の墓石工場では女性が沢山働いています。
彼女達は細かい細工を担当しています。
石材にこんな加工まで、と驚くような緻密な細工も可能です。
また、「影彫」と言われる石材に絵や写真を彫る担当も若い女性達です。
これは黒い石版に手本になる図案、写真を見ながら針状のノミで点描の要領で絵柄を刻む技法で、写真と見間違うほど写実的な表現が可能です。
現在、中国には中国国内で掘り出された原石以外にも、世界中の石材が集まり、どのような石種の注文にも対応できるようになっています。
インドも良い石材が沢山産出され、加工技術も高いのですがインド国内で加工すると納期が90日ほどかかります。
一方中国国内にストックされているインド材を中国加工すれば最短2週間ほどで入荷します。
ほかのアフリカ、南米、ヨーロッパ等の地域では更に差は大きいと思います。
そして加工工賃は段違いに安いです。
中国材はさすがに大陸、岩盤が大きいのか1本物で採石できる材料も大きいです。
通常10mまでは入手可能ですがこれは輸入コンテナの大きさの制約で、そこをクリアできればさらに大きな材料も調達できます。
最近、採石停止になる石種がいくつか出てきています。
これは環境保全や地域の安全、そして作業員の方々の安全確保の為であるということです。
日本でご先祖様の供養のために建てる墓石ですから、生産地である中国でこのようなことが考慮されるようになってきた、ということは喜ばしいことです。

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